福岡のワイドレジャーは東京のアドアーズをどう買収したのか:楽市楽座とアドアーズの企業史|日本のプリクラ設置・運営チャネル研究

更新 2026-10-12 ・ 公開 2026-10-12 | Joe Lin

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楽市楽座とアドアーズは、一見すると無関係な二つのゲームセンターに見えるが、実は同じ会社が運営している。福岡県小郡市の株式会社ワイドレジャーだ。楽市楽座は同社が自ら育ててきたブランドで、イオンモール内の店舗が多く、公式にはファミリー層を中心とすると説明されている。アドアーズはもともと東京の老舗ゲームセンターだったが、2018年3月にワイドレジャーが買収した。2022年3月1日に吸収合併されて会社は解散し、現在はブランド名として残っている。

両ブランドのプリクラは、店内にある多くの機種の一つにすぎない。私、老喬のプリクラ・フォトブースのデータベースでは、両者を「通路」、つまり設置・運営チャネルの層に分類している。当サイトには、プリクラを設置する楽市楽座46店舗、アドアーズ15店舗を収録している(2026年9月24日確認)。日本のプリクラ産業を「メーカー/設置・運営チャネル/ブランド」の三つの層にどう分けるか、主要10事業者をどう比較するかは、シリーズ総覧の日本のプリクラの4割超はゲームセンターにあるでまとめた。本記事では、ワイドレジャーという一社に絞って見ていく。

ワイドレジャーはどのような会社なのか

まず、会社の基本情報を整理する。

項目 内容
会社 株式会社ワイドレジャー(WIDE LEISURE)
本社 福岡県小郡市。東京オフィスも設置(港区芝大門)
創業/設立 1970年11月創業、1975年3月設立
代表取締役 菊池太一郎
従業員 359名(2026年4月)
売上高 300億円(2026年2月期)
上場 公式サイトに証券コードの記載なし
事業内容(公式の表記) アミューズメント施設運営、飲食物販店等施設運営
展開する事業 楽市楽座、楽市街道、スペースタイム25、アドアーズ、ASOBLE、オンラインクレーンゲームサービス「アラクレ」、ゲーム機のレンタル・設置、陸上養殖サーモン「のとりサーモン」

この表から分かるのは、ワイドレジャーが九州を拠点とする、年商300億円規模のゲームセンター運営会社だということだ。楽市楽座とアドアーズは、その傘下にある二つのブランドにすぎない。ほかにも新業態のASOBLE、オンラインクレーンゲームのアラクレがあり、さらにはサーモンの養殖まで手がけている。

上場の有無については、公式サイトに証券コードの記載がないため、本記事では判定せず、「公式サイトに記載なし」とする。

また、同社の採用サイトには、外部調査の順位として「2024年日経MJサービス業総合調査「アミューズメント施設」部門 第5位」と記載されている(ワイドレジャー採用サイト「会社について」、2026年9月25日確認)。これは公式サイトが引用している日経MJの調査であり、本記事ではそのまま掲載し、独自のランキングは行わない。

百貨店の屋上の軽食堂から始まった

ワイドレジャーの歴史は、ほぼ初日から「他社の建物の中に出店する」ものだった。会社の公式サイトと採用サイトの沿革によると、次のように歩んできた。

  • 1970年11月、ダイエー久留米店の屋上に軽食堂を開業。これが創業となる。
  • 1971年4月、同じダイエー久留米店の屋上プレイランドを買収。
  • 1974年12月、長崎県佐世保のジャスコ(イオンの前身)店内に屋内遊園地を開業。
  • 1975年3月、株式会社ワイドレジャーを設立。
  • 1989年4月、福岡県久留米市に郊外型遊園地「楽市楽座」久留米店を開業。楽市楽座という名前はここから始まる。
  • 1995年12月、久留米に大型複合施設「楽市楽座210」を開業。
  • 2000年11月、埼玉県川口市のイオンモール川口前川に出店し、「楽市楽座202」川口店を開業。
  • 2001年12月、福岡市東区にロードサイドの大型店「楽市街道」箱崎店を開業。
  • 2009年以降、各地のイオンモールに楽市楽座を順次出店。沿革には2021年のビバモール美原南店まで掲載されている。
  • 2018年3月、KeyHolderからアドアーズの全株式を取得。
  • 2022年3月、子会社アドアーズを吸収合併。同年4月、北九州に新業態のASOBLEを開業。
  • 2023年2月、オンラインクレーンゲーム事業「アラクレ」を開始。

この年表を最初から読むと、一貫した出発点が見えてくる。百貨店の屋上、スーパーの店内、ショッピングセンターの中。ワイドレジャーは創業当初から、小売業が集める人の流れに沿って出店してきた。後に楽市楽座がイオンモール内へ数多く出店したのは、この出発点の延長であり、業態転換ではない。

楽市楽座:イオンモール内に出店し、ファミリー層を中心に迎える

ワイドレジャーの公式サイトでは、楽市楽座について「インショップ型を中心とした「楽市楽座」をはじめ、ロードサイド型の大型店「楽市街道」のほか、「スペースタイム25」を運営」と説明し、続けて「明るく、清潔なイメージで、ファミリー層を中心に、多くのお客様に好評いただいています」と記している(ワイドレジャー事業内容)。インショップ型とは、商業施設の中に入る店舗のこと。ファミリー層とは、家族連れの客層を指す。同じ段落には、「同時にクレーンゲームをプレイした最多人数(複数会場)」のギネス世界記録を保有していることも書かれている。この公式紹介で取り上げられているのはクレーンゲームで、プリクラへの言及はない。

店舗数については、楽市楽座の公式サイトRAKUPAの店舗一覧ページに「店舗数 55店舗(2026年09月24日現在)」と記載されている(RAKUPA 店舗一覧)。

楽市楽座でプリクラがどのように位置づけられているかは、公式店舗ページから読み取れる。イオンモール川口前川店を例に取ると、住所欄には「イオンモール川口前川店3F」と明記され、紹介文には「プリクラコーナーもご用意してます」とある(楽市楽座イオンモール川口前川店)。プリクラは一つのコーナーであり、店の主役ではない。RAKUPAには、店内の機種を紹介する別のページもある(RAKUPA 筐体情報)。

当サイトが収録する、プリクラを設置した楽市楽座46店舗は、21都道府県に分布している。そのうち福岡県は17店舗。九州7県と沖縄を合わせると28店舗で、半数を超える。店名にはほぼすべて「イオンモール○○」が含まれる。店舗一覧と機種は楽市楽座ブランドページで確認できる。この46という数字は、当サイトがプリクラの設置を確認できた店舗数であり、公式の55店舗とは別の集計だ。差し引いて「プリクラのない店舗数」とすることはできない。

商業施設内にあるのに、なぜ「商業施設型」に分類しないのか

楽市楽座はイオンモール内の店舗が多いため、商業施設そのものと混同されやすい。このシリーズでは、イオンモールやPARCOのような商業施設は「貸主」として別に扱う。楽市楽座は商業施設のフロアを借りて自ら運営するゲームセンターで、プリクラは店内の機種の一つなので、「通路」、すなわち設置・運営チャネルに分類する。同じ会社の「楽市街道」は、ロードサイドにある大型の独立した建物の店舗だ。当サイトが収録する「楽市楽座022楽市街道名古屋店」はこの形態に当たり、同じく設置・運営チャネルに分類される。

アドアーズ:東京の老舗ゲームセンターはどう経営者が変わったのか

アドアーズの売却を理解するには、元の親会社から話を始める必要がある。KeyHolderの株主向け報告によると(KeyHolder「アドアーズ株式会社の全株式譲渡及び今後の展望について」、2026年9月25日確認)、経緯は三つの段階に分かれる。

第1段階:上場会社が社名を変更し、ゲームセンター事業を子会社に分ける

2017年10月1日、もともと上場していたアドアーズ株式会社は会社分割を行った。上場していた会社は上場を維持したまま「株式会社KeyHolder」へ社名を変更し、持株会社となった。ゲームセンターの店舗事業は、あらかじめ設立された100%子会社が承継し、「アドアーズ株式会社」という社名も引き継いだ。つまり、後に売却されたアドアーズは、この分割によって新たに事業を引き継いだ子会社であり、元の上場会社ではない。

第2段階:ワイドレジャーが買収を申し入れる

KeyHolderの報告は明快だ。組織再編から間もない10月ごろ、アドアーズの株式を買えないかと申し入れたのはワイドレジャー側だった。KeyHolderは当初、売却を予定していなかった。最終的に売却を決めた理由として、次の三つを挙げている。

  • アドアーズと従業員にとって、全体が縮小するゲームセンター業界のなかで、経営状態の良いワイドレジャーの傘下に入ることは、長期的にプラスになる。
  • ワイドレジャーが提示した価格は、KeyHolderグループにとって受け入れられるものだった。
  • 売却資金によって、KeyHolderは持株会社としてさらなるM&Aを進められる。

KeyHolderの2018年1月23日付適時開示には、取引条件が明記されている。アドアーズの全2,000株を、4,500百万円(45億円)で譲渡。2月27日の株主総会で決議し、3月26日に譲渡を完了した(KeyHolder「連結子会社(アドアーズ株式会社)の株式譲渡契約締結及び特別利益の発生に関するお知らせ」(2018年1月23日適時開示))。ワイドレジャーの採用サイトの沿革にも、2018年3月に「株式会社KeyHolderからアドアーズ株式会社の全株式を取得し子会社化」と記載されている。

第3段階:吸収合併し、ブランドを残す

2022年2月22日、ワイドレジャーは、同年3月1日付で子会社アドアーズ株式会社を吸収合併すると発表した。存続会社はワイドレジャーで、アドアーズ株式会社は解散する(ワイドレジャー「子会社の吸収合併に関するお知らせ」)。この日以降、アドアーズは会社ではなく、ワイドレジャー傘下の店舗ブランドとなった。

現在のアドアーズ

ワイドレジャーの公式紹介によると、アドアーズは首都圏を中心に展開し、北は北海道まで、さらに東京湾アクアラインの休憩施設「海ほたる」にも店舗がある。メダルゲームのファンが多く、店舗をまたいだジャックポットランキングが人気だという。近年はクレーンゲームにも力を入れ、公式キャラクター「アドニャーズ」も展開している(ワイドレジャー事業内容)。公式には中心となる客層が明記されていないため、本記事でも推測しない。

2015年のアドアーズの入口。赤いネオン看板に「MEDAL Game!」と「ADORES」の文字があり、入口にはメダルゲームのポスターが貼られている。隣はドラッグストア。

2015年4月に撮影されたアドアーズの店舗外観(撮影店舗の記載なし)。入口で最も大きな看板は「MEDAL Game!」で、メダルゲームをアドアーズの看板として紹介する公式の説明と一致する。撮影:運転太郎、CC BY 3.0、元画像。

アドアーズ公式サイトの店舗ページには各店舗が掲載されているが、総店舗数の記載はない(アドアーズ店舗情報、2026年9月24日確認)。当サイトには、プリクラを設置する15店舗を収録している。そのうち7店舗は東京都内(上野、浅草、渋谷、中野、新小岩、南大沢、仙川)で、残りは北海道、栃木、埼玉、神奈川、山梨にある。店舗一覧はアドアーズブランドページを参照してほしい。

この取引で、双方は何を考えていたのか

上で取り上げた2018年の発表は、調査時点で確認できる、ワイドレジャーの買収動機を公式に記した唯一の文書だ。売り手であるKeyHolderが公表したものだが、売り手と買い手の両方の理由が書かれている。ワイドレジャー自身のニュースリリースや公式サイトでは、この買収についての説明を確認できなかった。

ワイドレジャー:買収で首都圏の店舗網を一度に手に入れる

発表には、ワイドレジャー側の理由が二つ記されている。原文は「①将来的な事業の広域展開の足掛かりとして、首都圏における店舗網の早期構築が可能であること及び、②コンテンツを保有する企業とのリレーションを見込める」。分かりやすく言い換えると、次のようになる。

  • 第一の理由は営業基盤だ。アドアーズを全国展開の足掛かりにして、一店舗ずつ出店することなく、首都圏の店舗網を一度に整える。
  • 第二の理由はコンテンツだ。IPやコンテンツを保有する企業との関係を築く。

同じ発表には、当時のワイドレジャーの状況も記載されている。九州を中心に「楽市楽座」「楽市街道」とリラクゼーション施設「風と月」を運営し、全61店舗。純資産は9,604百万円、総資産は16,157百万円だった。45億円という譲渡価額は、当時の純資産のおよそ半分に相当する(当サイト計算)。当時のワイドレジャーにとって、小さくない買収だった。

第二の理由には、具体化した事例が一つ見える。KeyHolderの2017年末の株主向け報告では、VR施設「VR PARK TOKYO」がアドアーズのゲームセンター事業に含まれている(KeyHolder 第51期中間報告)。買収完了から4か月後の2018年7月、ワイドレジャーは公式サイトで、イオンモール福岡の楽市楽座の隣に「VR PARK TOKYO」を期間限定で開設すると発表した(ワイドレジャー 2018年7月の発表)。

KeyHolder:縮小するゲームセンター事業を売り、新たな主軸へ

売り手側の事情は、数字が物語っている。発表に添付されたアドアーズの直近3年間の経営成績は次のとおりだ。会社分割前の単体数値で、発表には参考値であると注記されている。

決算期 売上高 営業利益 当期純利益
2015年3月期 15,387百万円 457百万円 346百万円
2016年3月期 13,339百万円 296百万円 1,563百万円の損失
2017年3月期 12,186百万円 274百万円 164百万円

2年間で売上高は約154億円から約122億円に減り、営業利益も4割減少した。KeyHolderの2017年末の株主向け報告は、さらに直接的だ。既存のゲーム店舗では、メダルやクレーンゲームなどのカテゴリーが「前年を大きく割り込んでいる」と記している。

売却後の動きも、発表にあった「新たな事業の柱の構築」という方針に沿っている。

  • 2018年2月、取引が完了する前に、KeyHolderは新宿アルタのフロアを借りると発表した。アドアーズに代わる「新たな収益の柱」とするためだ(KeyHolder 2018年2月9日適時開示)。
  • 2018年3月期決算では、アドアーズ売却により1,423百万円の特別利益を計上した。これは発表時の見込み1,211百万円を上回る額だった。同時に「当社グループとしてアミューズメント施設運営の領域からは退きます」と明記した(KeyHolder 2018年3月期決算短信)。
  • 2018年6月、秋元康を特別顧問に迎え、新宿アルタに劇場KeyStudioを開設。2019年3月には、事業譲受によってアイドルグループSKE48を取得した(KeyHolder 第52期報告)。

業界の背景:ゲームセンターは減少していた

警察庁の統計によるゲームセンター等の営業許可数は、2017年末の4,381件から2021年末の3,882件まで減少し、2024年末には4,007件に戻った(警察庁 令和3年風俗営業統計、令和6年)。KeyHolderも株主向け報告で、この業界を「シュリンク傾向」と表現している。

双方を並べて見ると

一方は九州の外へ進出したい、首都圏の店舗網を必要とする地方の事業者。もう一方は売上高が年々減少し、資金をアイドルやコンテンツ事業へ移したい上場会社だった。同じゲームセンターブランドが、売り手には撤退したい従来の主力事業として、買い手には何年もの出店時間を省ける近道として映った。この解釈は、当サイトが双方の公開文書を並べて読んだもので、いずれかの当事者の発言ではない。

アドアーズという名前が、イオンの商業施設へ広がっている

アドアーズを買収した後、ワイドレジャーはその名前を廃止せず、むしろ新規出店に使い始めた。沿革に掲載された「アドアーズプラス」という店名の新店舗は、次のとおりだ。

  • 2022年12月、福岡県筑紫野市のイオンモール筑紫野店。
  • 2024年4月、山梨県のイオンモール甲府店。
  • 2024年6月、東京都八王子市のFAB南大沢店。
  • 2025年11月、福岡県福津市のイオンモール福津店。
  • 2025年11月、奈良県大和郡山市のイオンモール大和郡山店。

会社の公式サイトのトップページには、このほかアドアーズプラス イオンモール大牟田店の開業告知も掲載されている。

九州初のアドアーズプラスであるイオンモール筑紫野店のニュースリリースでは、まず「アドアーズブランドは首都圏を中心に約30店舗展開」と紹介している。そのうえで、この店舗はクレーンゲームを中心とし、景品には「女性に喜ばれる商品」を用意すると説明している(ワイドレジャー 2022年12月14日ニュースリリース)。

アドアーズ公式サイトの物件募集ページでは、現在出店を希望する店舗を四つの形態に分け、それぞれに例となる店舗を挙げている(アドアーズ物件募集、2026年9月25日確認)。

  • 小型店:50坪前後。駅構内、駅前、商業施設内など「女性の往来が多い場所」に出店する。対象地域は首都圏。例としてアドアーズプラス イオンモール筑紫野店を掲載。
  • 複数フロア型店舗:道路に面した200〜300坪、最大2フロア。首都圏の人通りの多い駅周辺を対象とする。例は浅草店。
  • 商業施設内のインショップ型店舗:1フロア300〜500坪。対象地域は全国。例は北海道のインターヴィレッジ大曲店。
  • ロードサイド型店舗:1フロア300〜500坪。対象地域は関東、東北、北海道。例は千葉北店。

同時に、一部の既存店は閉店している。公式店舗ページで閉店と記載されているのは、サンシャイン店(2026年1月18日)、町田店(2025年11月16日)、千葉店(2025年5月11日)、および閉店日の記載がない春日部店と藤沢北口店だ(アドアーズ店舗情報)。

もともと首都圏の路面店を中心にしていたブランドが、福岡や奈良のイオンの商業施設へ持ち込まれた。つまり、楽市楽座の営業基盤へ入ってきたことになる。沿革では、楽市楽座も以前、同名の三つのイオンモール(甲府、福津、大和郡山)に出店していた。その後に開業したアドアーズプラスが、元の楽市楽座とどういう関係にあるのか、看板を替えたのか、それとも別店舗を開いたのかは、公式サイトに説明がないため、本記事では推測しない。

二つのブランドは何が違うのか:地域、店舗形態、主力

同じ会社が運営する二つのブランドの違いは、三つに整理できる。

  • 営業地域が違う。楽市楽座は九州を拠点とし、当サイトの収録46店舗のうち28店舗が九州・沖縄にある。アドアーズは首都圏を中心とし、収録15店舗のうち7店舗が東京都にある。
  • 店舗形態が違う。楽市楽座はイオンモールのフロアを借りるインショップ型が多く、店名にはほぼすべて商業施設名が含まれる。アドアーズの収録店舗は駅周辺の商業エリアのビルに入っていることが多く、一店舗が複数の階を使う例も多い。たとえば渋谷店は1〜4階、上野アメ横店は地下1階〜4階だ。
  • 公式に打ち出す特徴が違う。楽市楽座の紹介文には「ファミリー層」と明記されている。アドアーズの紹介で取り上げられるのはメダルゲームのジャックポットランキングとクレーンゲームで、客層の記載はない。

まず、ブランドの識別表示を見てみよう。二つのロゴはまったく異なる。楽市楽座は赤い筆文字風の漢字、アドアーズは灰色の図形に赤いカタカナだ。看板からは、同じ会社のブランドだとは分からない。

ブランドの関係図。上部に灰色と赤のWIDE LEISUREの企業ロゴがあり、線で下の二つのブランドにつながっている。左は赤い漢字の「楽市楽座」ロゴ、右は灰色の図形と赤いカタカナの「アドアーズ」ロゴ。

次に、店舗の立地を見る。上は楽市楽座が出店するような大型ショッピングセンター、下は東京のアドアーズでよく見られる路面店だ。

上下に並べた二枚の写真。上は埼玉県のイオンモール川口前川の外観で、大型ショッピングセンターと広い駐車場が写っている。オレンジ色のラベルには「楽市楽座:イオンモール内に出店。九州を拠点とし、公式にはファミリー層を中心とすると説明」とある。下は東京・上野のアメ横商店街で、アーチ横のビルに赤い縦型のアドアーズ看板が掛かっている。青いラベルには「アドアーズ:首都圏の路面店。公式に打ち出すのはメダルゲームとクレーンゲーム」とある。

上:2026年5月のイオンモール川口前川(埼玉県川口市)。楽市楽座はその3階に入っている。写真は商業施設の外観で、楽市楽座の店内ではない。撮影:Suikotei、CC BY 4.0、元画像。下:2014年11月の東京・上野のアメ横商店街。アーチ横の赤い縦型看板には「アドアーズ」「ゲーム」と書かれ、地下1階から4階までの表示がある。当サイトに収録したアドアーズ上野アメ横店の住所表記(B1〜4F)と一致する。撮影:Joe Mabel、CC BY-SA 3.0、元画像。色帯と文字は当サイトが追加した。この合成画像はCC BY-SA 3.0で公開する。

最後に営業地域を見る。当サイトが収録した店舗を都道府県別に地図へ色分けすると、二つのブランドの地域はほとんど重ならない。楽市楽座の色は九州に、アドアーズの色は東京周辺と北海道に集中している。

「同じ会社、二つの営業基盤」という情報図。左右に日本地図があり、左は楽市楽座46店舗をオレンジ色で表示。九州に集中し、九州・沖縄に28店舗、福岡県に17店舗ある。右はアドアーズ15店舗を青色で表示。東京周辺と北海道に集中し、東京都に7店舗ある。

この地図は、2018年の買収発表に記されたワイドレジャーの第一の理由、首都圏の店舗網を早期に構築することと、ちょうど重なる。両ブランドの営業地域はほとんど重複しておらず、アドアーズの買収によって、九州以外の一まとまりの店舗網を一度に手に入れたことになる。

項目別の比較

項目 楽市楽座 アドアーズ
来歴 ワイドレジャーが自ら立ち上げた。沿革で最初に登場するのは1989年の久留米店 もともとは東京のアドアーズ株式会社。2018年に買収され、2022年に吸収合併
店舗形態(公式の説明) インショップ型が中心で、イオンモール内の店舗が多い 首都圏を中心に展開。近年はアドアーズプラスとしてイオンの商業施設にも出店
公式に記された客層・主力 ファミリー層(公式の原文) メダルゲーム、クレーンゲーム。客層の明記なし
公式の店舗数 RAKUPAに55店舗と記載(2026年9月24日現在) 公式サイトに総店舗数の記載なし(2026年9月24日確認)
当サイトが収録するプリクラ設置店舗 46店舗、21都道府県 15店舗、6都道府県
公式のプリクラ関連ページ あり。店舗ページにプリクラコーナーの記載があり、別途筐体情報ページもある あり。プリ機情報ページに機種と設置店舗を掲載
プリクラ専門のサブブランド 確認できず 確認できず
衣装貸出 確認できず 確認できず
メイク台、カールアイロン、更衣室 確認できず 確認できず
会員制度とプリクラの特典 確認できず 公式会員ページはメダルポイントとメダル預かりが中心で、プリクラの特典への言及なし
料金、営業時間 公開あり。店舗ごとに異なる。RAKUPAの各店舗ページを参照 公開あり。店舗ごとに異なる。アドアーズ店舗情報を参照

両ブランドは、成り立ちも営業地域もまったく異なる。楽市楽座は九州で生まれ、イオンの商業施設に沿って展開してきたファミリー向けゲームセンターだ。アドアーズは首都圏の路面店を基盤とし、公式に打ち出しているのはメダルゲームである。

ただし、プリクラについては、両者の答えはほぼ同じだ。プリクラは店内の一つのコーナーで、専門のプリクラブランドはない。衣装貸出、メイク台、更衣室は、公式資料ではいずれも確認できない。料金と営業時間は公開されているが、店舗ごとに異なり、変更も多いため、本記事では数値を掲載しない。

二つの店舗数の集計は、本記事では整合させない

ワイドレジャーの店舗数を調べると、二つの公式数字に行き当たる。それぞれが答えている問いは異なる。

  • 楽市楽座の公式サイトRAKUPAの店舗一覧ページ:「店舗数 55店舗(2026年09月24日現在)」。
  • ワイドレジャー採用サイトの「店舗状況」:26都道府県の店舗数を県別に掲載。当サイトで合計すると89店舗になる。集計時点の記載はなく、ブランド別にも分けられていない(2026年9月25日確認)。

前者は楽市楽座というブランドのサイトが掲載する店舗数、後者は会社単位の、集計時点が不明な県別一覧だ。対象範囲も時点も異なる。本記事では出典とともに二つの数字を並べ、差し引いたり、「アドアーズは何店舗あるか」を推計したりしない。当サイトの収録46+15店舗は、さらに別の第三の集計である。プリクラを設置し、かつ当サイトが確認できた店舗だけを数えているため、これも前の二つの数字と差し引くことはできない。

ワイドレジャーの中で、プリクラはどこに位置するのか

この会社をシリーズ総覧の枠組みに戻して見ると、典型的な設置・運営チャネルであることが分かる。プリクラはクレーンゲームやメダルゲームの隣に置かれ、商業施設や街の人の流れが来店につながる。公式サイトが両ブランドを紹介するときに取り上げるのは、クレーンゲームのギネス記録、メダルゲームのジャックポットランキング、公式キャラクター、オンラインクレーンゲームだ。プリクラは看板として扱われていない。

これは、シリーズで取り上げるほかの事業者の一部と対照的だ。タイトーは一部店舗のプリクラエリアに「brooming」というブランドを設け、バンダイナムコはプリクラ専門店「eggnam」を開いた。ワイドレジャー傘下では、調査時点でこうしたプリクラブランドや専用エリアの名称を確認できない。日本でプリクラを探す人にとって、楽市楽座とアドアーズは「ショッピングセンターや街を歩くついでに撮る」場所だということになる。機械はあるが、追加のサービスは公式資料から確認できない。

1995年から現在までの日本のプリクラ産業で、メーカーがどのように参入・撤退し、FURYUが今に至ったかは、日本のプリクラ産業30年史とFURYU企業研究にまとめた。台湾、日本、韓国のプリクラ・フォトブース産業の全体像は、プリクラ・フォトブース産業の総覧記事を参照してほしい。

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資料出典:ワイドレジャー会社情報、ワイドレジャー事業内容、ワイドレジャー採用サイト「会社について」、ワイドレジャー吸収合併のお知らせ、KeyHolder株主向け報告、楽市楽座RAKUPA、アドアーズ公式サイト、アドアーズ会員サービス、および当サイトphotobooth.joelin.ccの日本データ。中国語原文の初公開日は2026年9月25日。資料の確認日は2026年9月24〜25日で、別途日付を明記したものはその記載に従う。

画像:現地写真は、Wikimedia Commonsでオープンライセンスにより公開された写真を使用し、撮影者とライセンスは各画像の下に記載した。冒頭画像は上野アメ横(Joe Mabel、CC BY-SA 3.0)とイオンモール川口前川(Suikotei、CC BY 4.0)の合成で、CC BY-SA 3.0で公開する。ワイドレジャー、楽市楽座、アドアーズのロゴはWikimedia Commonsから取得したもの(パブリックドメインと表示された文字商標で、権利は株式会社ワイドレジャーに帰属)。紹介するブランドの識別にのみ使用しており、当サイトと同社との提携や許諾関係を示すものではない。店舗分布図は、Natural Earthのパブリックドメインの行政区域境界データを使い、当サイトが作成した。

本記事のキーワード:楽市楽座、アドアーズ、ワイドレジャー、KeyHolder、アドアーズプラス、日本のゲームセンター、日本のプリクラ、プリクラ、イオンモール、日本のプリクラ設置・運営チャネル

記事の要点

楽市楽座とアドアーズは、同じ会社が運営する二つのゲームセンターブランドである。運営会社は株式会社ワイドレジャーで、本社は福岡県小郡市。1970年11月にダイエー久留米店の屋上の軽食堂から創業し、1975年3月に設立された。代表取締役は菊池太一郎、従業員数は359名(2026年4月)、売上高は300億円(2026年2月期)。公式サイトには証券コードの記載がない。楽市楽座は同社が立ち上げたブランドで、公式沿革で店名が最初に登場するのは1989年の久留米店。公式には「インショップ型」と位置づけられ、イオンモール内の店舗が多く、紹介文では「ファミリー層」を中心とすると明記されている。楽市楽座の公式サイトRAKUPAに記載された店舗数は55店舗(2026年9月24日現在)。アドアーズはもともと東京のゲームセンター会社だった。2017年10月に上場していた親会社がKeyHolderへ社名を変更し、店舗事業とアドアーズの社名は新設子会社が引き継いだ。同年10月ごろにワイドレジャーが買収を申し入れ、2018年3月に全株式を取得。2022年3月1日に吸収合併され、アドアーズ株式会社は解散したため、以後はブランド名として残っている。公式紹介では首都圏を中心に展開し、メダルゲームとクレーンゲームを主力としている。近年は「アドアーズプラス」の店名でイオンの商業施設にも出店している。当サイトのphotobooth.joelin.ccには、プリクラを設置する楽市楽座46店舗、アドアーズ15店舗を収録している。これはプリクラ設置店舗の数であり、会社全体の店舗数ではない。楽市楽座の46店舗のうち28店舗は九州・沖縄、アドアーズの15店舗のうち7店舗は東京都にある。両ブランドともプリクラは店内の機種の一つで、公式資料ではプリクラ専門のサブブランド、衣装貸出、メイク台、更衣室を確認できず、当サイトでは「通路」、すなわち設置・運営チャネルに分類している。ワイドレジャーの買収動機は、売り手であるKeyHolderの2018年1月23日付発表に記載されている。譲渡価額は45億円で、広域展開の足掛かりとなる首都圏の店舗網と、コンテンツ企業との関係が理由として挙げられた。一方、KeyHolderはアドアーズの売上高が2年間で約154億円から約122億円へ減少するなか、売却後にゲームセンター運営から撤退し、秋元康やSKE48などに関わるコンテンツ事業へ軸足を移した。店舗数には二つの集計がある。RAKUPAは55店舗と記載する一方、採用サイトは26都道府県の店舗数を県別に掲載し、当サイトの合計では89店舗となるが、集計時点の記載はない。対象範囲と時点が異なるため、本記事では数字の整合を図らない。

  • 楽市楽座とアドアーズはいずれも株式会社ワイドレジャーのブランド。本社は福岡県小郡市、設立は1975年3月。創業は1970年11月にダイエー久留米店の屋上で開いた軽食堂にさかのぼる。
  • ワイドレジャーの従業員数は359名(2026年4月)、売上高は300億円(2026年2月期)。公式サイトには証券コードの記載がない。
  • 楽市楽座の店名が公式沿革に最初に登場するのは、1989年4月に開業した福岡県の久留米店。公式にはインショップ型を中心とし、イオンモール内の店舗が多く、紹介文ではファミリー層を中心とすると明記されている。
  • 楽市楽座の公式サイトRAKUPAに記載された店舗数は55店舗(2026年9月24日現在)。
  • アドアーズはもともと東京のゲームセンター会社。2017年10月に上場していた親会社がKeyHolderへ社名を変更し、店舗事業とアドアーズの社名は新設の100%子会社が引き継いだ。
  • ワイドレジャーは2018年3月にKeyHolderからアドアーズの全株式を取得。2022年3月1日に吸収合併し、アドアーズ株式会社は解散した。以後はブランド名として残っている。
  • photobooth.joelin.ccには、プリクラを設置する楽市楽座46店舗、アドアーズ15店舗を収録している(2026年9月24日確認)。これはプリクラ設置店舗の数であり、会社全体の店舗数ではない。
  • 楽市楽座の収録46店舗のうち28店舗は九州・沖縄、アドアーズの収録15店舗のうち7店舗は東京都にある。
  • 両ブランドとも、公式資料ではプリクラ専門のサブブランド、衣装貸出、メイク台、更衣室を確認できない。楽市楽座の店舗ページにはプリクラコーナーの記載がある。
  • KeyHolderの2018年1月23日付適時開示によると、アドアーズ全株式の譲渡価額は4,500百万円(45億円)で、3月26日に譲渡を完了。当時のワイドレジャーは九州を中心に全61店舗を運営し、純資産は9,604百万円だった。
  • 同じ発表に記載されたワイドレジャーの買収理由は、①将来の広域展開の足掛かりとして首都圏の店舗網を早期に構築できること、②コンテンツを保有する企業との関係を見込めること。
  • アドアーズの売上高は2015年3月期の15,387百万円から2017年3月期の12,186百万円へ減少。KeyHolderは売却後に1,423百万円の特別利益を計上してゲームセンター運営から撤退し、2019年3月にSKE48を取得した。

よくある質問

楽市楽座とアドアーズは同じ会社なのか?

はい。どちらも株式会社ワイドレジャー(本社:福岡県小郡市)が運営するゲームセンターブランドです。楽市楽座はワイドレジャーが1989年に立ち上げたブランドです。アドアーズはもともと東京の別会社でしたが、2018年3月にワイドレジャーが買収し、2022年3月1日の吸収合併後はブランド名として残っています。

アドアーズはどのようにワイドレジャー傘下に入ったのか?

KeyHolderの株主向け報告によると、もともと上場していたアドアーズ株式会社は2017年10月にKeyHolderへ社名を変更して持株会社となり、ゲームセンター事業とアドアーズの社名は新設の100%子会社が引き継ぎました。同年10月ごろ、ワイドレジャーが買収を申し入れました。ワイドレジャーの採用サイトの沿革には、2018年3月に全株式を取得し、2022年3月に吸収合併したと記載されています。

楽市楽座にプリクラはあるのか?衣装を借りて着替えて撮影できるのか?

プリクラはありますが、店内の機種の一つという位置づけです。公式店舗ページにはプリクラコーナーを設置していると記載され、photobooth.joelin.ccにはプリクラのある楽市楽座46店舗を収録しています。衣装貸出、メイク台、更衣室は公式資料では確認できません。料金と営業時間は店舗によって異なるため、RAKUPAの各店舗ページを確認してください。

楽市楽座は何店舗あるのか?

楽市楽座の公式サイトRAKUPAには55店舗と記載されています(2026年9月24日現在)。当サイトが収録する46店舗は「プリクラを設置する店舗」の数で、集計基準が異なるため、この二つの数字を差し引くことはできません。

ワイドレジャーはなぜアドアーズを買収したのか?

現時点で確認できる唯一の公式説明は、売り手であるKeyHolderの2018年1月23日付発表です。ワイドレジャーの理由として、アドアーズを将来の全国展開の足掛かりにして首都圏の店舗網を早期に構築することと、コンテンツを保有する企業との関係を見込めることが挙げられています。譲渡価額は4,500百万円(45億円)で、当時のワイドレジャーの純資産のおよそ半分に相当します。

ワイドレジャーは上場企業なのか?

公式サイトには証券コードの記載がなく、本記事では別途判定しません。確認できるのは、同社が2018年に買収したアドアーズが、もともと上場企業KeyHolderの傘下にあったという点です。

出典: 中国語原文は2026-09-25公開、2026-09-25更新。本文の店舗・企業情報、数値と未確認事項は、原文に記した調査時点の記録です。

この日本語版は、繁体字中国語の原作記事をもとにしています。joelin.cc. 海外の読者にもわかりやすいよう、表現や説明を調整しています。 内容の基準となるのは繁体字中国語の原文です。完全な内容は中国語の原文をご覧ください。