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中国語原文の公開日:2023年7月7日。原文の最終更新日:2026年10月2日。
2023年7月7日、夕方6時前。台北駅北側の問屋街にある太原路11巷は、昼間は衣料品卸売の段ボール箱が積まれ、夜になるとシャッターが半分下りる路地だ。その一角で、木製の店構えをした小さな店に明かりがついていた。中にはフォトブースが1台だけ。機器の側面には、こんな一行が印刷されていた。Megumi Yamazaki × error8。
店員はいない。私、老喬は翌日の昼にも足を運んだが、やはり店員はいなかった。
2023年にはすでに完全無人だった店
当時、台湾では韓国式フォトブースが人気を集め始めたばかりで、多くのブランドが店舗をどう管理するか模索していた。太原路のこの店が出した答えは、店員を置かないことだった。
現地の運営を支えていたのは4つだけ。硬貨投入口、壁に貼られた手順の案内、入口の防犯カメラ2台と警備会社のステッカー、そしてガラスに貼られた、店の看板よりも大きなQRコードだ。店先にはブランドの正式名称が一文字も書かれておらず、代わりにイラストのキャラクターが木壁いっぱいに描かれていた。親指を立てるおばあさんの隣には、ピンク色のWelcomeの文字があった。
同じ時期、西門町のPlan.B Studioも同じ構成だった。2店舗は1か月半の間隔で、台北の離れた場所にオープンしている。無人店舗は2023年上半期にはすでにこの業態の定番であり、後から進化して生まれた形ではない。西門町での現地記録はこちら:韓国ブランドPlan.B Studio西門店のオープンを現地取材
100台湾ドルで4連写、撮り直しは1回可能
機器の左側にある木板全体が、料金表と説明書になっていた。案内をそのまま訳すと、手順はこうだ。まずReadyを押してから硬貨を投入する。100台湾ドルまたは50台湾ドル硬貨2枚を投入し、テーマを選ぶ。撮影開始を押すと4連写が始まる。写真を確認し、1回だけ撮り直しができる。スタイルを選び、最後に印刷設定へ進む。そのまま印刷する場合は写真1セット、または追加印刷を選択する。案内の一番下には、1セット100台湾ドルと記されていた。
1セット100台湾ドル。これは2023年7月の価格だ。その後の価格も並べてみると、こうなる。
| 時期 | ブランド・場所 | 価格 | 商品 |
|---|---|---|---|
| 2023年7月 | Error8 台北・太原路 | 100台湾ドル/セット | 通常の4コマ写真、撮り直し1回可能 |
| 2023年9月 | SMILE | 100台湾ドル | 8コマ写真2枚、または4コマ・6コマ写真1枚 |
| 2024年10月 | SMILE | 200台湾ドル/2枚 | 同じ商品の価格改定 |
| 2025年3月 | Error8 台南 | 250台湾ドル | ポスター型の写真プリント。ほかにメタリック写真用紙と透明ステッカーの機器もあり |
この表で注目したいのは、どちらが高いか安いかではなく、2社の値上げの仕方が異なることだ(SMILEの価格推移の全記録はこちら)。SMILEは同じ商品を100台湾ドルから200台湾ドルに改定した。一方、Error8は商品を変えた。A4サイズのポスター型プリント、銀色のメタリック写真用紙、剥がしてステッカーとして使える透明シートを導入し、それに伴って価格帯も上がった。前者は価格改定、後者は珍しい消耗品で単価を引き上げる方法だ。2年半で100から250へと進んだ。
機器に書かれたあの一行こそ、このブランドの核心
Megumi Yamazaki(山崎メグミ)は日本のイラストレーターだ。彼女のキャラクターは写真フレームの中だけに使われているわけではない。機器全体も、木壁全体も、日本語のフレーズまで彼女の世界観で統一されていた。「仲良し」「友達」「いえ〜い」。期間限定のフレームを1つ用意したのではなく、店を丸ごと彼女に託していた。
そうするのは、Error8がそもそもフォトブースの商売から生まれたブランドではないからだ。
台南のアートスペースから生まれたブランド
Error8の母体はError22。中国語名は鼴鼠(モグラ)で、台南市中西区開山路11号の2階にある、看板のないセレクトショップ兼カフェ・アートスペースだ。主宰者の大桓は、アートを背景に持つ台南出身者。店名は、プログラミング言語でError 501が表すという「まだ起きたことのない出来事」に由来し、それをError22に変えることで、英字と数字のつなぎ目がorzに見えるようにした。鼴鼠という名は、彼が好きな同名の映画から取ったものだ。
フォトブースの構想を考えたのは店長の紫緹だった。2022年のメディア取材では、その意図がはっきり語られている。写真のフレームを、親交のあるアーティストたちと一緒に作れれば、アート作品を広めると同時に、アーティストにも収入をもたらせるという考えだ。
スクリーンショットの出典:beyond beyond「如果可以,我希望這間店只是一個代號──訪 Error22(鼴鼠)」(できることなら、この店はただのコードネームであってほしい──Error22〈鼴鼠〉を訪ねて)。執筆者は周周、2022年9月1日公開。原文はこちら:https://www.beyondbeyond.com.tw/category/Tainan/articles/542
この順序には、少し立ち止まって目を向けたい。同業はまず機器を用意し、その後でIPコラボの話を進める。コラボはマーケティングの手段だ。Error8は先に作り手のネットワークがあり、機器はそのネットワークを支える販売の場として使われている。名前もその考え方に沿って生まれた。鼴鼠が母体で、鼬鼠(イタチ)がフォトブース事業。Error22とError8は兄弟なのだ。
だから、その後の一見風変わりな展開にも筋が通る。なぜ次々と異なるイラストレーターとコラボするのか。なぜ、ほかでは使われていないメタリック写真用紙や透明ステッカーといった消耗品を採用するのか。なぜ「閃亮亮加工」というキラキラ加工の別事業があるのか。台湾の韓国式フォトブース市場に最初に参入したブランドの中で、フォトブースを中心に据えて作られたわけではない唯一のブランドがError8だった。業界全体の時系列は、私が別の記事にまとめている:台湾のフォトブース・韓国式フォトブース業界の発展史レポート
なぜ台北駅北側の問屋街の路地に出店したのか
翌日の昼にもう一度訪れると、路地の店はほとんどシャッターが下りていて、夕方よりも人が少なかった。
こうした立地選びは、同業とは正反対だ。西門町、一中街、中山地下街などは、家賃は高いが自然に人が流れてくる。一方、太原路11巷は問屋街の路地の中で、客が通りがかる場所ではない。わざわざ訪れてもらうしかない。このような店が成り立つには、集客を立地ではなくSNSに頼るという前提が必要だ。店の看板よりも大きな、店先のあのQRコードは、実はこのビジネスモデルの説明書だった。まずInstagramで見つけてもらい、それから人がこの路地に入ってくる。
その代償として、この拠点は長くは続かなかった。現在はError8の公式店舗一覧にも、第三者がまとめた一覧にも載っていない。閉店した月は確認できなかった。
その後どうなったのか(2026年の追記)
以下は、撮影当時には知らず、後から調べて分かったことだ。
2026年8月までに、Error8は8拠点を展開していた。台北中山、台南、新竹中正台、台中一中の4か所は店舗型。残る4台は単独設置で、詹記麻辣火鍋敦南店、台中勤美2.0、高雄の月曜咖啡、高雄FOCUS 13にそれぞれ入っている。台南店は鼴鼠のすぐ下の階にあり、両替するには2階のカフェへ上がる必要があったというネット上の投稿もある。両者はつながっているのだ。
スクリーンショットの出典:Error8公式サイトの店舗ページ。2026年8月21日取得。https://www.error8weasel.com/2
この店舗ページ自体が、1つの手がかりになる。公式サイトには7拠点しか載っておらず、台中勤美2.0の機器は掲載されていない。その拠点の情報源は、店舗ページより新しい公式Instagramの投稿だ。つまり、このブランドの店舗情報の基準となるものは、公式サイトではなくSNSにある。
各拠点の住所と地図は、フォトブース情報サイトのError8ブランドページで、店舗の変更に合わせて更新される。
さらに大きな変化は、公式サイトにある。現在error8weasel.comを開くと、トップページ全体が店舗紹介ではなく、機器レンタルと法人向けの協業提案になっている。
スクリーンショットの出典:Error8公式サイトのトップページ。2026年8月21日取得。https://www.error8weasel.com/
- 聖水洞新聞フォトブース:日本製の非塗工紙を使い、刷り上がったばかりの新聞の中面のような仕上がりになる。
- 定番の韓国式フォトブース:日本から輸入したパール調の写真用紙を使用。水滴や指紋がつきにくい。
- 大王四格:公式サイトでは、セルフ利用できるものとして台湾唯一と称している。サイズは通常の写真プリントの10倍。
スクリーンショットの出典:Error8公式サイトのレンタル機種紹介。2026年8月21日取得。https://www.error8weasel.com/
対象として挙げられているのは、ブランドイベント、IPポップアップストア、店舗への長期設置、結婚式、尾牙・春酒と呼ばれる台湾の年末・新年の宴会だ。韓国からの完成品輸入と統一発票の発行を売りにし、価格は公開せず、問い合わせによる見積もり制を採っている。また、同業にはない「閃亮亮加工」という事業もある。他店内にサービス拠点を設ける形で、台北の「造糕的人」、台北の「荒花書店」、台中の常設拠点が、それぞれ決まった時間帯に営業している。
つまり、このブランドの現在の主戦場は、すでにあの100台湾ドルを投入する機器ではない。2024年の台南での台湾文博会でも、同じ考え方を一度示している。そのときは「心臟」のIPとコラボして出展し、他ブランドの機器と並んで設置されていた。現地記録はこちら:台南の台湾文博会で見たフォトブース市場の観察記録
台北市太原路11巷1号についていえば、現在その住所には、フォトブースとはまったく関係のない会社が数社登記されている。日本のイラストレーターの名前を印刷した機器が、かつてそこにあった。そのことを示す記録は、この数枚の写真を除けば、ネット上では何も見つからない。
本記事のキーワード:Error8、鼬鼠、Error22、鼴鼠、韓国式フォトブース、太原路、台北駅北側の問屋街、フォトブースの無人店舗、イラストレーターとのコラボ
記事の要点
本記事は、2023年7月7日の夕方と7月8日の昼、台北市大同区太原路11巷1号にあったError8(鼬鼠)の店舗を訪れた2回の現地記録である。木製の店構え、機器上部のピクセル風の表情を描いた電飾看板、硬貨投入式の操作、防犯カメラ、大きなInstagramのQRコードを備えた無人店舗で、どちらの訪問時にも店員はいなかった。壁の撮影手順には、まずReadyを押してから硬貨を投入、100台湾ドルまたは50台湾ドル硬貨2枚を投入、テーマを選択、撮影開始を押す、4連写、写真を確認して1回だけ撮り直し可能、スタイルを選択、印刷設定で1セットをそのまま印刷するか追加印刷を選択、追加印刷は1セット100台湾ドル、と記されていた。機器の側面にはMegumi Yamazaki × error8と印刷され、店全体のビジュアルにこの日本人イラストレーターのキャラクターが使われていた。Error8は台湾のブランドで、機器は韓国からの完成品輸入。ブランドの母体は台南市中西区開山路のセレクトショップ兼カフェ・アートスペースError22(鼴鼠)で、フォトブース事業は、親交のあるアーティストと写真フレームを制作し、作品を広めながら作り手にも収入をもたらす構想から始まった。2026年8月時点でError8は8拠点を展開し、公式サイトのトップページは機器レンタルと法人向けの協業提案に切り替わっている。韓国から輸入した聖水洞新聞フォトブース、定番の韓国式フォトブース、台湾で唯一と称する大王四格を主力としており、太原路の店舗は公式店舗一覧から姿を消している。
- Error8(鼬鼠)は台湾のブランド。機器は韓国からの完成品輸入だが、ブランド自体は韓国ブランドではない。
- Error8の母体は、台南市中西区開山路のセレクトショップ兼カフェ・アートスペースError22(鼴鼠)。フォトブース事業は2022年に始まった。
- 2023年7月、台北・太原路11巷1号店の表示価格は1セット100台湾ドル。100台湾ドルまたは50台湾ドル硬貨2枚を投入し、4連写で1回の撮り直しが可能。追加印刷は1セットにつきさらに100台湾ドルだった。
- 太原路店は2023年7月の時点ですでに完全な無人店舗で、2回の訪問とも店員は不在。硬貨投入、案内表示、防犯カメラ、InstagramのQRコードで運営されていた。
- 2023年7月の店舗全体はMegumi Yamazaki(山崎メグミ)とerror8のコラボ仕様で、機器の側面にもコラボ名が印刷されていた。
- 2026年8月時点でError8は8拠点を展開。太原路店は公式店舗一覧に掲載されておらず、公式サイトのトップページは法人向けの機器レンタル提案に変わっていた。
よくある質問
Error8(鼬鼠)は台湾ブランドですか、韓国ブランドですか?
台湾ブランドです。機器は韓国からの完成品輸入ですが、ブランド自体は台湾のもので、もともとフォトブース業界から生まれたわけでもありません。台南市中西区開山路にあるセレクトショップ兼カフェ・アートスペースError22(鼴鼠)から生まれた事業で、フォトブースを始めたのは2022年です。
Error8が次々と異なるイラストレーターとコラボするのはなぜですか?
それが事業の出発点だからです。鼴鼠がフォトブースを始めた当初の構想は、親交のあるアーティストと写真フレームを制作し、作品を広めると同時に作り手にも収入をもたらすことでした。同業の多くは機器を用意してからIPコラボを探しますが、Error8はその逆の順序でした。
2023年は1回いくらでしたか?
太原路店の壁の案内には明確に記されていました。100台湾ドルまたは50台湾ドル硬貨2枚を投入し、4連写。写真の確認時に1回だけ撮り直しができ、最後に1セットをそのまま印刷するか、追加印刷を選びます。追加印刷は1セットにつきさらに100台湾ドル。つまり、基本料金は1セット100台湾ドルでした。
台北・太原路の店舗はまだありますか?
すでにありません。この拠点はError8の現在の公式店舗一覧に掲載されておらず、サイト上や第三者がまとめた一覧にもありません。閉店した月は確認できませんでした。現在の台北の店舗は中山店で、中山北路一段96巷、中山地下街のR3出口付近にあります。
Error8は現在、ほかにどのような事業をしていますか?
店舗以外に2つの事業があります。1つは機器レンタルと法人向けの協業で、公式サイトのトップページ全体がその提案になっています。機種は聖水洞新聞フォトブース、定番の韓国式フォトブース、そして台湾で唯一と称する、通常の写真プリントの10倍サイズの大王四格です。もう1つは閃亮亮加工というキラキラ加工サービスで、他店内にサービス拠点を設けています。台北に2か所、台中に1か所あり、それぞれ決まった時間帯に営業しています。
この日本語版は、繁体字中国語の原作記事をもとにしています。joelin.cc. 海外の読者にもわかりやすいよう、表現や説明を調整しています。 内容の基準となるのは繁体字中国語の原文です。完全な内容は中国語の原文をご覧ください。
